日本人であることがバレてしまった今、タクシーの中では旅慣れた感じを出していくしかない。旅行素人な感じが明らかになってしまうと、ぼったくられる可能性が飛躍的に上がるのだ。
運転手「マニラに来たのはビジネスのためか?」
専務「いや、違う」
運「じゃあマニラには何しに来たんだ」
専「バカンスだ」
運「バカンス???」
専「そう、バカンスだ!」
運「じゃあ、女が必要だな。いい店に連れてってやるぞ」
専「女?」
運「女が嫌いなのか」
専「いやいや、そりゃあ好きだ」
運「じゃあいいお店を紹介してやる」
専「いやいや、とりあえずホテルに行ってくれ。友達と待ち合わせしてるんだ」
運「彼女か?」
専「男友達だ」
運「女には興味ないのか?」
専「あのー、何でそうなるんでしょうか・・・・・・・」
こんな感じで意味のない会話が永遠に続くので、正直疲れてきた。寝たふりしよう。
運「マニラは初めてか?」
専「そうだ、初めてだ」
しまったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
やばい。マニラが初めてだと思わず言ってしまった。これで、ホテルまでのタクシーの相場を知らないのがばれてしまう。タクシーにぼったくられる可能性が大幅にアップしてしまった。
すると、運転手はさりげなく料金メーターに手を伸ばし、謎のボタンを1回押したのであった。
ピッ。
ん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ピッと小さな音が鳴ったと同時に、メーターの料金が劇的に上昇したのである。そして、料金の上昇は今までの3倍くらいの勢いになったのだ。
専「ちょ、ちょっとー!!。何かメーターがおかしくないですか?」
運「おー、ノープロブレムだ!」
きたー!!!海外で言われてゾッとする言葉「ノープロブレム」。
必ずプロブレムが発生する魔法の言葉「ノープロブレム」。
もの凄い勢いで上がり始めるタクシーメーターを見ながら、オレは軽く目を閉じた。
うーん、ホテルに着いてからタクシー運転手と喧嘩をしなければならないのか・・・・憂鬱。。。。。。
iphoneのGoogle mapを見ていると、ホテルはもう近くのようだ。
高額な料金に文句をどう言おうかと悩んでいると、運転手が急にこんなことを言い始めた。
運「左手に見えるのはマニラ湾だ。朝早くに散歩するのがオススメなんだ。ところで、もうすぐホテルに到着するんだが、お金を支払ってすぐに降りてほしいんだ。なぜかと言うと、ホテル付近は駐車禁止でその様子をポリスが確認してるんだ。だから、すぐに降りてほしいんだ。わかるか?」
専「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ムムム、これは怪しい。たぶん、高額なお金を支払った瞬間にダッシュで逃げだそうとしてるんだろう。
こんなことを色々考えていると、タクシーはホテルの前に到着。
運「さあ着いたぞ。780ペソだ。さっと支払ってさっと降りてくれ。ポリスが見ているからな」
780ペソ。
高い!!!!
相場では400ペソもあれば来れる距離だ。
おかしい。
専「あのー、780ペソって高くないですか?」
運「え?いやいや、タクシーメーターで780ペソだから間違い無いぞ」
うーん、どうしよう・・・・・・・
そこで、オレをとにかく早く降ろそうしている運転手を無視してオレはTKS君にLINEで連絡することにした。
専「TKS君、タクシーの値段っていくらやった?」
(30秒後)
TKS「500ペソくらいでしたよ」
780ペソが高いことを確信したオレは、タクシー内で粘ることにした。
運「おい、780ペソだ。ポリスが来るぞ!!」
専「What's ポリス?」
運「こらこら、急いでくれ。」
専「いやー、780ペソって高いでしょ。うーん・・・・・・」
タクシーから全く降りようとしないオレの姿を見て、運転手はかなり焦っていたようだ。
運「わかった、わかった。500ペソでいい。もう降りてくれ」
こんな感じで500ペソを支払いホテルにようやく到着。ちょっとしたトラブルが発生し、オレのテンションは少し高くなっていた。これから何が起こるんだろう。ワクワク。
ホテルの部屋で無事TKS君と合流。
TKS君は夕方に到着していたそうだが、一人で出歩くのが不安だったようで、一歩も出歩くことなく部屋のWifiでネットを楽しんでいたようだ。
夜10時、晩ご飯を食べに行くことにした。
治安があまりよくない地区であったが、今日の最大の楽しみは晩ご飯を食べることだ。
薄暗い路地をさまよいながら、調べていたレストランを探す。
うーん、ない。
地図で示された場所を何度も往復するが、全く見当たらない。
ビルのガードマンに聞いてみることにした。
ガードマン「その店なら、そこの道を左だ。いや、右だ。あれ、左かな・・・」
専TKS「・・・・・・・・・・・・・・・・」
言われた付近をウロウロするが、何の手がかりもない。
ストリートチルドレンも我々の視界中でウロウロしている。
付近は異常に薄暗い。
ちょっと、怖いんですけど。
TKS君もオレと同じような不安を感じていたのだろう。
自然とTKS君とオレの距離は近づくのであった。
なんかホッとする(ウフフ)
結局道ばたにある適当なレストラン?で食事をすることにした。
まあ、人も多いので大丈夫だろう。
メニューの写真を見ながらフィリピン料理っぽいものを注文。
どーん!!
焼きそばはフィリピン料理かって?
焼きそばは単に食べたかっただけです。気にしない気にしない。
あまり期待してなかったのだが、魚の素揚げがほんとに美味しかった。
表面はパリパリで、全くクセのない白身魚。
フィリピン旅行の3日間で一番印象に残った料理は間違い無くこれだろうな。
TKS君はフィリピンビール「サン・ミゲル」を注文。海外でもノンアルコールなオレはコーラ。
マニラ初日、無事に合流できたことに乾杯し、明日からのレコードハントに胸躍らせるのであった。
つづく。
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